ドレミで愛を奏でよう
潤が帰り道の方向に体を傾けたとき。


潤のケータイが鳴った。


「…うん。…は?ふざけんなよ!おいっ!…っ!?…分かったよ」


「どうかしたのか?」


通話が終わり、ケータイを閉じる潤に道也君が問いかけた。


「あー…くそ姉貴が帰りに“スイートスイート”のケーキを買ってこいって。…買わなかったら、殴られる」


ああ。


潤ってお姉さんいたっけ。

潤にとってもそっくりで、くっきり二重が自慢の綺麗な人。


でも、気の強い人で、小さい頃はよく潤が殴られてたところを見たなあ。


「大変だねぇ」


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