ドレミで愛を奏でよう
「見せてみろ。誰とメールしてたんだ?どうせろくな奴じゃないんだろ」


そう言って西山先生は道也君の持っているケータイに手を伸ばした。


そして奪い取るようにして画面を開く。


「ん?ー…神埼音色?
そうか。お前ら確か付き合ってたな。
こんな顔だけが自慢の男と付き合うなんて、神埼もその程度か」


西山先生はさっきのメールを見たのか、ケータイにあった視線を私に移した。


クラスのみんなも私と道也君に視線を向ける。


ー…どうしよう。私がメールなんて送り返したから。

変なメールを送っちゃったから。


私のせいで道也君に嫌な思いをさせてる。


悔しい。


道也君は違うのに。


“顔だけ”なんかじゃないのに。


でも言えなくて。


悔しくて涙がこぼれそうになる。


私はぎゅっと強く目をつむった。


「いやー、先生のその頭が面白くて」


へー…?


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