俺と… どうしたいの?
夕姫に口移しでドリンクを飲ませた。
だからキスではない。
俺はそう思う。
仕方なく飲ませただけだ。
ゴクッと飲んだ夕姫は 真っ赤になりながらゆっくり横になった。
「 ありが… と、先輩… 」
顔を背けている夕姫は熱もあるが、俺がした事に熱が上がったようだ。
「 勘違い、しないから …」
は?ああ、そうだな。
何か腑に落ちない気分だ。
夕姫が寝ている間、俺もベッドに横になり、携帯を触っていた。
1時間程して、保険医が戻ってきたため、夕姫の状態を話す。
もう少し寝かせて起きたら帰宅させようと言った。
俺は保険医に夕姫を任せて教室に戻った。
「 快登、雅…彼女欲しいって思うか?」
「 当たり前だろ、なぁ雅 」
「 実はさぁ… 彼女出来たんだな~俺 」
快登は雅に裏切り者と文句を言い、俺は雅に彼女が出来た事には驚いたが、雅なら納得だ。
俺はどうなんだ?
「 琉聖、お前は?ついこないだ告ってき子はどうした?」
どうしたもこうしたも、ピンとこねぇ
俺を見てる目が違うんだよな…
「 じゃああの子、何だっけ… 夕姫ちゃんだっけ?」
「 夕姫?なんで… 」
なんで夕姫が出てくんだ?確かにいつも目につく奴だけど、あの夕姫が俺の彼女って?まさか、ないな。
昼になり、その時間もあっという間に過ぎていき 俺は教室の窓から校庭を見ていた。
そういえば雨止んだな…
ふと 一人校庭を歩く奴を見て夕姫だとすぐにわかった。
じっと見ながらバカげた賭けを自分にしてみた。
夕姫が振り返って俺を迷わず見たら俺を意識してるか、好き。
このまま振り返らず帰ったら、俺たちはただの先輩後輩だ。
俺は夕姫を見ていた。
夕姫は振り返らない…だが正門前で夕姫が立ち止まった。
何をしてるかわからないが、ただ、立ち止まったままだ。