闇ノ花




「おい、待て」


「……はい?」


「巡察行ってくる」





土方さんはそう言うと、パパッと浅葱色の羽織を着た。


この色、好きだな。


……綺麗。





「お前も欲しいか?」


「はい?」


「この羽織」





思わず、新撰組の羽織に見惚れていたのがバレてしまったみたいだ。


慌ててそこから視線をそらす。





「いずれ、お前も着れる時が来る」


「えっ?」



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