闇ノ花




珍しく土方さんは睨まなかった。


というか、笑った。


驚いてぽかんとしているうちに、土方さんは部屋から出ていく。


……え?


えーっ⁉


土方さんが笑った!


これは……奇跡だ。


明日は雨と一緒に刀と槍が降ってくるかも。


そんな事を考えながら、ほうきを探す。


あれ……ほうき、どこ?


土方さんに聞くんだった。


多分もう、巡察行っちゃったよね……。


仕方なく他の人に聞こうと、土方さんの部屋から出る。


誰か……いないかな。





「……あ」





すると、向こうから優しそうな人が歩いてくるのが見えた。


あの人、この間名前言ってくれたけど……誰だったっけ。



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