闇ノ花


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「……終わったぁっ」




さっきまで汚かったのが嘘のように、土方さんの部屋は綺麗になった。


あの散乱していた紙も分類したし……。


雑巾で隅々拭いたし……。


外からは鴉の鳴き声が聞こえてくる。


もう夕方かぁ……早いな。


今日は何だか、掃除だけで終わったような気がする。


床に座って、綺麗になった部屋を見回していると、障子が開いて土方さんが入ってきた。





「あ、お帰りなさい。掃除終わりました」


「あぁ……ありがとうな」





土方さんは部屋に入ってくるなり、目を丸くした。




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