闇ノ花



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「……遅い」





山崎は、真っ黒な忍装束に身を包み、部屋の前で仁王立ちして待っていた。


かなりやばい……。





「ひ、土方さんの部屋を掃除してて……」





小さな声で言っても、山崎は私を睨むだけ。





「如何なる理由があったとしても、遅刻は遅刻だ」


「……ごめんなさい」





そう素直に謝り、軽く頭を下げる。


暫くすると、山崎は小さく息をついた。





「もういい。付いて来い」


「あ……分かった」



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