闇ノ花




「つまり、俺達に有利な状況は殆どないという事だ」


「……はい」





私がそう返事をすると、山崎は前方を向いた。





「向こうに、的をいくつか用意してある。ここは狭くて暗い。その上お前は動きづらい格好」


「はい」


「三つ投げてみろ」





的……どこ?


本当にあるの?


目を凝らして、じっと奥を見つめる。


……あ、あった。


白くて、真ん中に黒い円が書いてある的。


投げようと態勢を整える。


だけど山崎が言ったように、狭いから投げにくい。


よし、一回目。


狙いを定めて……。




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