闇ノ花
「何の事?」
「俺に布団をかけていっただろう。それから外に出て、帰ってきたと思ったら何もかけずに寝て……」
「……」
あぁ、そうだった。
あの女の子と男の子の夢が、すごく印象に残っていて、帰ってきた時の事なんかすっかり忘れていた。
だけど、朝起きていた時には布団がかかっていた。
山崎がかけてくれたのだろうか?
「気を遣わせて悪かったな。布団は、直に用意する。だからそれまで、そこで寝ろ」
「あ……ありがとう」
……もう何も聞かれないかな?
そう思って安心したのも一瞬だった。
「で、どこに行っていたんだ」