闇ノ花




「……」





何も言わず、目をきょろきょろさせる藤堂さん。


そして思い付いたように、こう声を張り上げた。





「そっ、そうだ!これから、原田さんの所にも行かないといけないんだった!」


「え?ちょっ……」


「じゃっ!絶対来いよ!」





藤堂さんは、そそくさと私の横を通り過ぎて行ってしまった。


……逃げたな。


でも、何だったんだろう?


不思議に思いながらも、私は目的地である道場に向かったのだった。




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