闇ノ花
「ふぅっ、終わった」
素振りを何度も何度も繰り返し、肩を上下させている時だった。
「では最後に、素振り百回やったら終わりましょうか」
……爽やかな笑顔でそう言っている鬼がいる。
「はぁ……本気ですか……」
「えぇ。本気です」
現代では、“鬼の副長”と言われた土方さんが有名だけど、この人だって充分鬼だと思うよ。
鬼の沖田さんめ……っ。
なんて、心の中で叫びながら、私は竹刀を勢いよく振り下ろした。