闇ノ花




何だか、こんなに気持ちがふっと軽くなるのは 久し振りだった。


みたらし団子に手を伸ばし、一口食べてみる。





「美味しい!」





ほんのりと甘い味が口いっぱいに広がった。





「だろだろ?これ、おまさちゃんの店の団子なんだ」





そう言いながら、隣に座ってくる男の人。


えっと……





「だ、誰でしたっけ?」


「ひっ、ひでぇ!原田左之助だ!」





本当に傷ついたような顔をする原田さん。


はい、すみません……。





「左之~、残念だったな。こんな別嬪さんに忘れられて」




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