闇ノ花
それを追い掛けていると、山崎は思い出したように口を開いた。
「因みにさっきの男は、長州の者だ」
「へえ、長州……。って、長州⁉」
まさかの展開。
長州は新撰組や幕府の敵だって聞いた事がある。
驚いて目を見開くけど、さっき名前を教えていたら……本当に、危なかった。
「去年の八月、長州の者を京から追い出した政変があったんだが……」
「…え……?」
「最近は、何故か長州の者が出入りしている。何かを企んでいるという証拠だ。これから調べていく」
……近いうちに、何かが起こりそうな予感がした。
だけど、何だろう……?
「……もう少し経ったら、お前にも手伝ってもらう。初仕事だ」
「うん……分かった」
私はそう言って、山崎の隣を歩いたのだった。