闇ノ花


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数週間後。


庭に桜が咲いた。


うーん、綺麗!


満開の桜は、もう春になったんだなと実感させてくれる。





「ようやく咲いたな」





その声に振り返ると、そこには土方さんが立っていた。


私と同じように木を見上げて、微笑んでいる。





「はい。ようやくですね」





太陽が当たっている事もあり、桜の木は眩しく輝いているように見えた。





「はぁ、こんなに綺麗なのに……散ってしまうって思うともったいないです」




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