闇ノ花
初仕事
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陽が沈んでいく。
私と山崎は、薄暗くなった京の町を歩いていた。
私も山崎も、着流しに笠という旅人の格好で。
「……長州の者達は、池田屋という旅館によく集まって話し合いをするそうだ」
「池田屋……」
「というわけで、今日は池田屋に泊まって監視する」
すたすたと歩いていく山崎。
はたから見たら、どこにでもいそうな旅人。
誰も、私達が新撰組の密偵だとは思わないだろう。
すると山崎が思い出したように口を開いた。
「因みに、俺らは恋仲という設定だ」
「恋仲……えぇっ⁉」
驚いて山崎の顔を見ても、いつもの無表情だ。