闇ノ花
「友達なんかどこにでもいる」
「そしたら恋仲だってどこにでもいるんじゃない?」
「いや、恋仲の設定の方が間者だとバレにくいだろう。そもそも俺らが並んでいて、友達に見えるか?」
「……」
確かに……。
恋仲だと、間者だと思われにくいのかな?
「だからお前は恋仲らしい振る舞いをしろ」
「えぇ⁉むりむりっ!ていうか、恋仲らしい振る舞いって何⁉え、私達恋仲に見えるの⁉」
「着いたぞ」
スルーしないでよ!
山崎は、池田屋と表札がかかった店の中に入って行った。
それから店の主人が、山崎と何かを話している。