闇ノ花
それから、奴に土蔵まで案内され、私は地面にしゃがみ込んだ。
地面は土。
そして気温も低くて、体が震える。
手足が霜焼けになりそうだ。
いや……待って。
何だか素直にここまでついて来ちゃったけど、私、今どんな状況なの?
いつものように家の中を歩いていたら、あの部屋が光っていて。
中に入ったら、光っている原因は刀だって気付いて……。
その刀をうっかり触ったら、意識が飛んだ?
あ……そうだ。
刀が光っていた事自体、妙な話だけど……もしかしたら、あまりにも刀から流れる電力が強かったから、私は今気を失っているのかもしれない。
目が覚めたら、こんな時代劇みたいな世界にいたっていう話の方が、もっと有り得ないんだから。