闇ノ花




「小松……?」





山崎が、昨日のように心配そうな表情を向ける。


あまり心配はかけたくないのに。


私は助けてもらってばかりで、泣いて人を困らせるだけの人間なのかな……。





「わ……たし、もう、戦うなんて出来ないのかもしれない……」


「……」


「もう、無理なんだよ……復讐なんて……」





涙で視界がぼやける。


顔を下に向けると、ぽたぽたと音がして、畳を湿らせているという事が分かった。


山崎の手が近付いてくる。


肩を掴まれ、布団に横にされた。


そして分厚い掛け布団を体にかけられる。





「……何も考えるな」




< 287 / 522 >

この作品をシェア

pagetop