闇ノ花
「小松……?」
山崎が、昨日のように心配そうな表情を向ける。
あまり心配はかけたくないのに。
私は助けてもらってばかりで、泣いて人を困らせるだけの人間なのかな……。
「わ……たし、もう、戦うなんて出来ないのかもしれない……」
「……」
「もう、無理なんだよ……復讐なんて……」
涙で視界がぼやける。
顔を下に向けると、ぽたぽたと音がして、畳を湿らせているという事が分かった。
山崎の手が近付いてくる。
肩を掴まれ、布団に横にされた。
そして分厚い掛け布団を体にかけられる。
「……何も考えるな」