闇ノ花
『王を尊び、夷を攘う(はらう)』──。
教科書にはこんな風に、書いてあったような気がする。
つまりは、外敵を撃退するという事。
……開国をして、外国と交流している私達幕府派とは真逆の考え。
私達とは志が違う……。
「……で、藤堂さん。君ももちろん、私達について来ますよね?」
ドクン、と心臓が跳ねた。
藤堂さん……まさか、伊東さんについて行ったり、しないよね?
私達を裏切ったり、しないよね?
だけど……。
私がここにいると知らない藤堂さんは、こうはっきりと返事をしたのだ。
「──はい」