闇ノ花
──ガツンッ!カキンッ!
そんな……もう、始まって……
「……ひっ」
しかし、突然視界に入ってきた光景に、足がすくんでしまう。
……伊東さんの、遺体。
ドクン、と心臓が跳ねる。
その先で起こっている、激しい戦闘──。
唇を噛んで、伊東さんから目を逸らす。
震える手足を気にしないようにし、私は再び走り出した。
そして、そこで戦っている藤堂さん……。
「……藤堂さん!こっちに来て下さいっ!」
私は人を掻き分け、真っ先に藤堂さんの元へ向かった。