闇ノ花
「決めたのは、僕だから……っ」
あ……。
私と、重なって見えた。
藤堂さんには、藤堂さんが決めた道が、あったんだ。
私と、同じように。
今は……御陵衛士の一員だから、そっちを裏切るわけにはいかない。
頬の上を、涙がこぼれ落ちていく。
その時──。
藤堂さんの体を、刀が貫いた。
「藤堂さん……!」
だけど……
藤堂さんはすぐに倒れる事なく、戦い続けた。
例え、刀が地面に落ちても。
脇差しが、手から滑り落ちても。
新撰組に体当たりして、戦い続けた──。