闇ノ花


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その後、庭に行った。


こんな出来事があっても、月は私達を明るく照らす。


ゆっくりとした足取りで、まだ咲いていない桜の木へと向かった。


……もう、気付いてしまった。


歴史は、変える事なんか出来ないという事に。


どんなに、未来から来た私が頑張っても……


──この人達の信念が変わらない限り、歴史が変わる時は……永遠に、来ないという事に。


そう考えても、悔しかった。


助けたかった……。





「う……っ」





木にすがりついて、涙を流す。



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