闇ノ花


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それから、三年以上の年月が経った──……。


私達はあの後、土方さんの言った通りに、江戸へ向かって佐藤彦五郎さんの家でお世話になった。


だけど……次々と来る悲報。


永倉さんと原田さんは、近藤さんと意見が食い違い、二人は離隊。


永倉さんは無事に今も生きているけれど……原田さんの消息は、分からない。


近藤さんの処刑。


新撰組の陣地を敵に囲まれ、近藤さんは敵に捕らえられた。そして、土方さんが頭となり、それからは新撰組を引っ張っていった。


沖田さんの病死。


近藤さんの処刑から、約一ヶ月後。


沖田さんは近藤さんの死を知らないまま、労咳という名の病を悪化させ……この世を去った。


そして……土方さんの戦死。


戊辰戦争の一番最後の戦争、箱館戦争で、土方さんは銃弾に撃たれた。


それらの知らせが来る度に、涙した。


だけど、前に進まなければならない。


“みんなを守りたい”


それを続ける事は、これからも出来ると気づいたから。


だから──。





「……わぁ、桜きれい……見て、山崎!」


「あぁ……そうだな」





私達は今、ある目的を持って、久し振りに京へ来ていた。




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