闇ノ花
私は、男の答えを待った。
別に信じてくれなくてもいい。
とにかくここから出たい。
「局長と話し合ってから、お前をどうするか言い渡す」
「……はい」
「ただし、土蔵から出る事は許す。今日から山崎と同じ部屋にいるように」
……は?
ぽかんと、男の顔を見る。
至って真面目に言ってるようだ。
山崎も驚いて男を見る。
「というわけで、以上だ。山崎は少し話があるから残れ。……平助、そこにいるのは分かってるんだ。出てこい」
男がそう言うと、渋々といった様子で一人の男が障子を開けて出てくる。