闇ノ花
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巫女としての仕事が終わった私は、この木造の広い屋敷の中を歩いていた。
足を踏み出す度に、みしみしと床が軋む。
もう夜だ。
昼は巫女、夜は忍。
だからいつもの黒い服を纏い、私はまた外に出ようと玄関に向かっていた。
だけど──。
とある一室の部屋が、パアァッと光輝いている事に気が付いたのだ。
あれ……?
何で、光っているんだろう。
実はこの部屋、お爺ちゃんに「家宝があるから絶対に入ってはならぬ」と何度も念を押すように言われていたのだけど。
少々の好奇心で、疑問に思いながら勢いよくその部屋の襖を開く。