闇ノ花
沖田さんは大事そうに、金平糖の袋を地面から拾った。
「沖田さん……あの、好きな食べ物は?」
恐る恐る聞いてみる。
すると、沖田さんは当然のようにこう言ってのけた。
「え?もちろん金平糖です。だけど、団子もいいなぁ……それから、餡蜜も。あ、それからお汁粉も!」
……この人相当な甘党らしいです。
そんなに好きなんだ。
何だか……すごく、輝いて見える。
きらきら星が輝いている……。
沖田さんは、私の方をくるりと向いた。
「よしっ、じゃあ帰りましょう!鬼に見付かると厄介ですし、平助にも少し用があるんで!」
「あ……はい」
全て言い終わる前に、ずかずかと早歩きする沖田さん。
そんな沖田さんを、私は慌てて追い掛けたのだった。