闇ノ花
「おっ、来たか」
近藤さんが笑顔で出迎えてくれる。
広間内は、がやがやと賑わっていた。
さすが新撰組……男しかいない。
「お前、一言挨拶してもらうからな」
「え?……あ、はい」
土方さんに聞き返すと、必ず睨まれる。
だから慌てて返事をした。
山崎は、先に遠くの方に座っていた。
「それでは、昨日新しく入隊した隊士を紹介する」
視線が集中する中、土方さんに目で合図され、私は軽く頭を下げる。
「小松芳乃です。よろしくお願いします」
何だか転校生になったような気分だ。