後輩レンアイ。




───龍太side



あーくそ、あの女のせいで寝れなかった。
なんであんな顔したのか、気になって眠れなかったじゃんか。

いくら考えてもその答えは浮かばず、本人に直接聞くことにした。

えーと、中里清華…って、何組だ?
クラスのヤツに聞いたら、絶対なんかいわれるよな。
しゃーねー、捜すか。
俺は3年の教室がある、三階に向かった。

見つかるのは、以外と早かった。

バッシャーン

そんな音がして、見に行ってみたらまぁ、本人がいたってわけだ。
「志堂龍太様じゃありませんの!!」
誰だコイツ?
て、言うか。

「え、ちょ、なにやってるんですか?」
「なにって、お清めよ?だって、クラスの空気が汚れているなんて嫌でしょう?」
いや、お清めって…。

「でも、ここまでしなくても…」

「志堂様は、こんな女を庇うんですの?」
は、なんでそうなんの?
俺なんでこの女必死に庇おうとしてんの?
「…いや、かばうとかそういうんじゃ…」
「まさか、志堂様もこの女と遊んでらしたの?」

なんでそうなるんだよ。
「いや…別に。」
「じゃあ別によろしいのではなくて?」
「えぇ、構わないですけど。」

そういってから、後悔した。
いや、後悔というか。
俺は、俺が周りからそういう目で見られるのが怖くて、自分を欺いたんだ。

それを見通すかのように、俺を見つめた中里清華。
その目が、俺はとても怖かった。
真っ直ぐで、強い瞳。
ただ、すこし曇っていて。
俺の心は、罪悪感と自分に対する嫌悪感で埋まった。

中里清華は、無言で濡れたままこちらにくる。
確実に、何かをいわれると思った。

でも。

「…。」
つかつかつか、と中里清華は俺の横を通って、どこかへ行ってしまった。
前を見ながら歩くその背中は、とても凛々しく、また小さく見えた。
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