後輩レンアイ。
「えー、一週間後に期末テストがあります。
しっかりとテスト勉強しておくように。」
うわ、だる。
俺は親父の期待に応えるため、テストでは常に一位をとってきた。
でもその分、ちゃんと努力してた。
それなのに、周りの奴らは、俺が努力もせずになんでも出来ると思ってどんどん俺にやることを与えてくる。

もう､これ以上積み重なったら崩れるっつーの｡
ただでさえバランス不安定だってのによー。
てか俺、なんで親父の期待に応えるためだけにこんながんばってんだよ。
やっぱ、そうなるように躾られてんのかなー。

俺は、そんなことを考えながら、ファミレスに向かった。

｢いらっしゃいませー。」
俺はファミレスに入った。
キョロキョロとあたりを見るが、中里清華は見あたらなかった。
仕方なく、近くの店員に聞く。

「すみません、中里清華さんはどちらでしょう？」
「あぁ、中里さんならしばらく休むって。
なんでも、テストがあるらしいですから。」

中里清華がテストでバイトを休む？
あの女、そんなにまじめだったのか？
遊び人のくせに。
ちゃんと勉強、してんのかよ。

「中里さんに用事だったら、住所教えるから行ってみたら？」
え、おい、住所渡して良いのかよ。
「ハイ、住所。」
俺は仕方なく、渡された紙に書いてある場所へと向かった。
< 18 / 94 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop