後輩レンアイ。

「で、何で来たの。」
コト、とマグカップを置きながら中里清華が言った。
「いや、勉強してるって聞いて…」
「は、そんだけ!?」
「んー…俺にもよくわかんねぇ。」
「よくわかんねぇって…」

悩んでいると、ﾆｬｰと言う鳴き声が聞こえた。

あ、猫！
「あの、先輩が拾った猫…どうなったかなって…」
「猫？何で知ってんの。」
うお、中里清華の目が怖い、目が!!

「あっ…いや、白い猫抱いて帰るとこ見かけたから…」
「そう。」
「清ねぇー!!」

元気な声が聞こえてくる。
すると、小学生くらいの男の子があの猫を抱いていた。
「見て見て、すんげぇ元気になった!!!」
猫は再び、ﾆｬｱ、と鳴いた。

その姿は、数日の回復とは思えないほど整っていて。
白い毛並みは力がみなぎっており、時々キラキラと透き通って見える。
「なんだ…めちゃめちゃ元気じゃん…」
知らぬ間に俺は呟いていた。

「キレイな猫。
なんで棄てたのかな。」

中里清華は、そんなことを呟いた。