後輩レンアイ。



───清華side



「ハイ、では、伝統ある由緒正しいわが校の、清桜祭役員決めを行います。」

出た。
どうせあたしはきっと、また実行委員だ。
実行委員の仕事は、皆大変だしめんどくさいからやりたがらない。

だから毎年毎年あたしに押し付けられる。

それに、担任は『伝統ある由緒正しいわが校』
が口癖のくせに、その『伝統ある由緒正しいわが校』の清桜祭の実行委員を、『学園1の問題児』に任せるんだろうなー。

絶対おかしいって。

「それでは実行委員ですが────…」
来た。
「…ハイ。中里さんが適役かと。」
予想通り。
でも、ちゃんと言い訳は考えてある。

「お言葉ですが、伝統ある由緒正しいわが校の実行委員など、学園1の問題児のあたしには到底勤まりません。他を当たってください。」

普段あんたらが言ってること、そのままでしょ?
だからホラ、なーんにも言えない。

「…っ庶民のくせに、逆らうなんていい身分ね!」
はは、今度は身分問題ですか。

「国家はこう掲げています。
誰にでも人権はあり、みな自由で平等だと。」
最後の平等を、強調してやった。

「そんな国家に、国に逆らうおつもりですか?
西園寺様。」

クラスのリーダー格の女を、様付けて呼んでやった。
「…では、他の方に致しましょう。」

勝った…!
高校に上がって最後の清桜祭で、実行委員を免れるとは。
皮肉なものだ。
嬉しすぎる。
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