後輩レンアイ。
迫る危険と救いの魔女
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…さて、どうしたものか。
『彼の懐に潜り込んでほしい。』
て、資料もらってもわかんないし。
あたしは制服のポケットに入れたUSBメモリを軽く握りしめる。
てか、そもそも人の過去を漁るのって、ロックとかかかってるもんなんじゃないの?
ましてや、大手企業の息子なんて。
…てことは、コレあたしから外に漏れたらかなりヤバいよね。
「…………、った!?」
やば、考え事してたら誰かにぶつかってしまった。
あたしはとっさに顔を上げる。
「…っあ」
「…なんですか。」
目の前にいたのは悩みの種、志堂龍太だった。
嘘でしょ?
何でこのタイミングでここにいるわけ…
「なんで、アンタがここに…?」
「俺がここにいちゃまずいんですか。
つか、人にぶつかっといてその態度はどうかと思いますけど。」
「なんでアンタに謝んないといけな…」
いや、待てよ。
ここで反抗したら、志堂龍太はあたしにあまりよくない印象を持つのでは?
なるべく神速に、かつ確実に依頼をこなすには、細かなところでの接し方が大事だ。
仕方ない、株を上げておこう。