後輩レンアイ。
───龍太side
あーだるかった。
学園から帰る途中。
「ニャー…」
む。
かすかに猫の鳴き声。
近くの茂みに目をやったところで、ギョッとした。
真っ白い子猫を、あの中里清華が眺めていたのだ。
昔が、フラッシュバックする。
『なによこの猫。
汚いわねぇ。拾ってきたの?
そう、なら棄ててきなさい。』
あの女は、平然と言った。
この女も、猫を棄てんのか。
やっぱり、どいつもこいつも遊び人なんて…!
「いーなー…アンタがうらやましいよ。」
…は
なに言ってんだコイツ。
「どうせだったら猫に生まれたかった。」
どういう意味だよ。
そんなことを思っていると、中里清華は猫を拾ってどこかへ行ってしまった。
…棄てようとしてたんじゃ、ないのかよ。
遊び人なんて、皆同じじゃないのかよ。
むしゃくしゃした俺は、しばらくぶらぶらしてから、ファミレスに入ることにした。
ウィーン…
「いらっしゃいませー」
とりあえず席につき、コーヒーを頼もうとボタンを押す。
「お待たせいたしました、ご注文は────…って、げ。」
そんな声が聞こえた。
なんで
「なんでここで働いてんですか。」
そんなに金が欲しいのか?
やっぱり、どこの遊び人も、同じだ。
ちょっとでも違うなんて思った俺が馬鹿だった。