後輩レンアイ。

「じゃあ、どうして……」

「どうして?

あたしは自分で動けないダレカさんの背中を押しただけだけど?

ていうか、そんなに自分の過去を聞いて欲しそうな顔をして、悲劇のヒーローぶってるみたいだけどさ。

それだけ大した過去なんでしょうね?」


「聞いて欲しいなんて、そんな顔…ッ!」


「してないとは言わせない。」


あたしがそういい放つと、志堂龍太は口をつぐんだ。


「アンタがどんな過去を背負ってるのかは知らないけど、そんなの他人にとっては所詮素知らぬ事なの。

それを当の本人がいつまでも悩んでたら、恥を掻くのはアンタでしょう?

失敗するのはアンタでしょう。

それでも、誰かに心配されたくて、寄り添っていてほしくて、自分の不利益になる事をいつまでも続けるつもり?」


「……悲観してる、訳じゃない。」


そうつぶやいた顔が、やけに重たいから。
だから、あたしらしくない言葉が出てしまったんだ。
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