後輩レンアイ。

「ありがとう、御座います。」

「やけに素直で気持ち悪いんだけど。」

あ、しまった。
口が滑った…。
だってお礼なんて、家族以外に言われるの久し振りだから…うん、しょうがない。

「…はは、いつもの先輩だ。
お礼言って損したー。」

「残念、皮肉な龍太クンに戻っちゃったなー。
さっきはしおらしくて可愛かったのに。」

「なっ…!
可愛いとか言うな!」

「可愛かったもの。
あとあたし、先輩。」

「ウッ…、スミマセン。」

「よし、敬語。
…じゃあ、家族になったお祝いに家でご飯食べてく?」

「い、いいんすか?!」

「どうぞ、家族だもの。」

ワンステップ踏み出し、次のステップへ上るために言っただけなのに。
まさかこんなにも目を輝かせるなんて思ってなかった。

…意外と無邪気なのね。
さっきの言葉、撤回するわ。

<アンタはあたしと同類なんかじゃない>
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