後輩レンアイ。
───龍太side
さっきはあんなに優しかったのに、もうひねくれた先輩に戻ってしまった。
“それじゃあたし達を家族だと思えばいいじゃない。
真奈も陸も、宇巳も羽陏も音葉も、アナタの家族。
勿論、あたしも。”
先輩が、あんなこと言うなんて。
正直驚いた。
あっそ、で済まされると思った。
が、どうして慰めてくれたんだろうか。
いや、アレは慰めなのか?
さっきの先輩、一瞬辛そうに見えたけど…
気のせい、か?
「それにしても、ここに連れ込んだこと勘違いするなんてねー。
そんなに自分がモテてるって思った?」
…気のせいだ。
絶ッッッ対気のせいだ!!
「…絶対俺のこと、からかってるだろ。」
「なーに?
なんか言った?」
にこやかに振り向く先輩の顔に、俺の心臓が跳ねる。
なっ…
違う!これは見返り美人効果だ。断じて先輩が好きとかそんなモノはない!
ただ─────…
ヤツの言葉が、不覚にも俺の心を軽くしてしまった事は事実で。