後輩レンアイ。

「清ねぇおかえりー!」

「ただいま、宇巳。」

宇巳の頭を優しくなでた後、先輩はにっこりと笑ってこう言った。


「みんな、聞いて。
今日からこの志堂龍太は、あたし達の家族です。
仲良くしてあげてね。」

「ハァ?
なに言ってんの、コイツは清ねぇの…!」

ん?
俺がなんだって?

「陸も少しは大人になって。
勉強でも教えて貰ったら?」

俺は先輩のなんだよ。

「でも…!」

「あたし、龍太クンの昔のこと聞いたの。
あたしには陸や真奈や宇巳達がいる。
でも龍太クンにはいない。

だから、あたし達が家族になるの。」

「…別に、今更家族ごっこをしたいなんて思ってないんだ。

だけど、俺は誰かと一緒に食事をしてみたい。」

「…ふーん、あっそ。」

「陸。」

「…わかったよ。仲良くするよ。
オイ志堂、言っとくけど清ねぇの言うことを聞くんであってオマエの言うことは聞かないからな。」

オイ志堂って。
俺これでも有名会社の御曹司なんだけど。

なんで陸はこんなに俺を目の敵にするんだ?
誰にでもそうなのか?

家族といいつつなんか違うと思うのは俺だけだろうか…。
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