後輩レンアイ。



───陸side


清ねぇが、初めて男を家に連れてきた。

今まではコイツが半ば無理矢理入ってきただけだったのに。

ホントにただのくっつき虫だったのに。

清ねぇがコイツを“家族”と言った。


家族だ、と。


(…コイツ、清ねぇに一番言わせたくない言葉を言わせやがった。)

清ねぇは、人の事情に土足で入ってくる無神経なヤツが嫌いだ。

あと、言いようのないオーラをまとった人間も。

多分、清ねぇが『同類』って言うヤツ。
なにか大きなモノを抱え込んでる目。

俺は分かってる。
もう何年も、清ねぇを見てきたから。

ずっと、見てきたから。

家族って言葉を、清ねぇは滅多に口に出さない。
多分、言いたくないんだろう。
両親が死んだときから、清ねぇは声を上げて笑わなくなったから。

たとえ清ねぇが俺達が抱えきれないほどの闇を持っていたとしても、俺がそれ以上の“今”で塗り潰すから。

だからもし、もしも清ねぇが両親の死に関わっていたとしても、俺は───…

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