後輩レンアイ。
「…陸、一つ聞いていいか?」
皆が散らばった後、急にアイツが声をかけてきた。
なんだ、改まって。
まあコイツの言うことなんて聞かないけど。
「俺は先輩の、なんだ?」
「…は?」
「さっき、言いかけてただろ。」
ああ…あれか。
コイツは清ねぇの一番嫌いなタイプだろ。
そう言おうとした。
「清ねぇにあんな顔させやがって…」
「え?」
あんな顔、笑顔なんて言わない。
作り笑いにしか、見えない。
「アンタは、清ねぇが一番嫌いなタイプなんだよ。
さっさと清ねぇから離れろ。
俺らにアンタの事情は関係ない。
アンタの過去の事なんてどーでもいい。
ただ、今度清ねぇにあんな顔させてみろ。
タダじゃおかねぇぞ、テメェ。」
俺は志堂を床に無理矢理ねじ伏せ、馬乗りになって首を絞める手に軽く力を入れた。
「グゥッ…」
「俺達家族もフツウじゃない。
いいか、俺たちにダンランを求めるな。
家族なんて言葉、二度と清ねぇの前で言うな。
清ねぇを悲しませたら、俺がオマエを殺す。」
そう言って、俺は手を離した。
「カハッ…ゲホ、ゴホッ」
俺は立って志堂を見下ろした後、自分の部屋のある二階に向かった。