後輩レンアイ。
…そこまでいうと、今までよりさらにいじめがエスカレートするぞ…!
「全く、愚民の言うとおりですわ!」
…ん?
今、先輩に加勢の声がついたような…
「毎朝毎朝、邪魔なのよ貴女達!」
「あ、あれは…7勢会の1つ、西園寺家の一人娘、西園寺律様…!」
7勢会とは。
この国の金を回す主な人物、いわば金持ちの集まり。
7つの家が揃って7勢会と呼ばれる。
伊勢、四ツ葉、小鳥遊、暁、志堂、西園寺、成海の7家。
そのうちの1人が、先輩に加勢した…?
まさか、先輩に近づいて何かしでかす気じゃ…!
「あ、律。
おはよう。」
「おはよう御座いますわ愚民。」
心なしか、西園寺は少し照れたように言った。
なんでこの2人が…?
この場にいる誰もがそう思っているはず。
だって、教室でいじめていた人間といじめられていた人間が仲良く(?)なっているのだから。
「あの…先輩?
これ、どういう…」
「ああ、律のこと?
ここで話すと面倒だから、ちょっと来てくれない?」
先輩は俺の手を掴んで人混みをかき分けるように早足で歩いた。
あちこちから悲鳴が上がる。