ホントに大切なもの☆
しつこい女【明希☆視点】
【明希 視点】

ずっと電話しても出てくれへん、家に行ってもいつも留守で会えへん、そんな愛しの来瞳に痺れを切らし、俺は今、来瞳の事務所に来てる訳やけど…

なんでやねん…( ´△`)なんで会うてくれへんの?俺の事、ほんまに嫌いになったんか?俺は、こんなにも来瞳に依存してるのに…
神様は、イジワルやね(泣)
「だから何度来ても会わせられないです!」と来瞳のマネージャーが言った

「なんでやねん!電話も出てくれへんから直接来たんや!」と俺は、言う

「 明希には別れたと聞いています、周りにバレると困るので帰って頂けませんか?」とマネージャーが言ってきた

なんや、それ?そんなの聞いてへんのに変な事抜かすなや!と俺は、心の中で思った…

「別れてないわ!あんな記事、来瞳が本気にする訳ないやろ!」と俺は、言った
来瞳…頼むからどうか俺を信じて…

「事実がどうあれ、来瞳は、会社を背負うトップアーティストです!明希さんならわかるでしょ?記事に載ったのが 来瞳じゃないだけで良かったですよ!」とマネージャーが言った

俺は、来瞳の事務所に来て会わせて欲しいとマネージャーに頼んだ

毎日来て頼み込んだ

俺は、「 明希は俺の女やねん、早く居場所教えてや」とすがる様に言った

「なら、来瞳と付き合ってると公表できますか?明希さんだって無理でしょ?それに他の人がいるじゃないですか」とマネージャーが言った

俺は、マネージャーが言った〝他の人″に反論する事も出来ず、「それは…」としか言えなかった…
するとマネージャーが「公表出来ない立場に 来瞳も明希さんもいるんです、お帰り下さい」と言った

「もうええわ!」俺は、そう言うと来瞳の事務所を後にし、来瞳の家へ向かおうとした時…

「明希さ~ん!」とどうでもいい女の声がした

俺は、苛々しながらぶっきらぼうに「あぁ?」と美嘉に返事した

美嘉にバッタリ会ってしまった

「またお前か…ええ加減付きまとうん止めてくれやん?勝手なこと記事にされて迷惑なんやけど!」と俺が言った

すると「酷~い!彼女見るまで毎日一緒ですよ♪あっ!さっき来瞳さんと会いましたよ~ 」と美嘉が言った

てかコイツ、俺と来瞳が付き合ってるって勘づいてこんな事してるんか?

「はっ? 明希はどこおんねん!」と俺は、美嘉に聞いた

そんな俺に来瞳は、「そんな必死に探してどうしたんですか~?」と聞いてくる
「お前、またいらん事、来瞳に言うたやろ?」と俺が言った

すると美嘉が「記事見ました?って聞いたら"見た"って言ってたのと~記事の事は本当って伝えましたよ~」とありもしないデタラメな事を言いやがった…

「お前…」と俺は、呆れた口調で言った

「彼女いないなら私と付き合って下さいよ~こんなに好きなのに!」と美嘉が俺に擦り寄ってきた…

美嘉は、俺の肩に手を回しキスをせがむ

「お前はどうしたら諦めるねん?」と俺は、美嘉に聞いてみた

美嘉は、当然かの様に「諦めませんよ♪」と答えた

"明希さんは公表できますか?"

俺の頭は、さっき来瞳のマネージャーが言った言葉でいっぱいだった

俺は、美嘉を突き放し、無言のままの美嘉をその場に置いてタクシーで来瞳の家へ向かった

どうせ、今からスタジオに行っても帰ってるはず…

そして数分後タクシーを降り、来瞳のマンションへ入った

ピンポーン

持っていた合鍵で中へ入る
「まだ帰ってへんか…」と俺は、ひとり呟いた…

いつも来瞳が居たリビング

こうやって俺1人で見る事はなかった

「なんもない部屋やな…」とまた、呟いた

生活感なんて全くなく、女の部屋なのにそれっぽい物すらない

明希の性格上ある訳ないが…

家にいる時間がないという証拠だ

真っ白な壁がなぜか窮屈に思えた… 
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