ホントに大切なもの☆
幸せな同棲生活-明希☆視点-
【明希 視点】

-翌日-

「さっ!今日も頑張るで!」と事務所で気合いを入れて張り切る俺

そこに現れた俺のマネージャーが慌てた様子で俺に向かって「いた!明希さん!昨日来瞳さんのliveに行ったんですか!?なんて事したんですか!相手は歌姫なんですよ!?」と言った

俺は、そんなマネージャーに向かってしてやったりと言わんばかりに「行ったで♪」と言うとマネージャーが「来瞳さんの事務所から電話ありましたよ!以後気を付けて欲しいって!付き合うのはいいですけど、今が大事なんですよ!」と言ってきた
俺は、そんなマネージャーなどお構いなしに「あー、もうわかってるわ!てか俺ら一緒に住むから!」と言うとマネージャーが「なんですとー!?今言った事わかってるんですか!?」と言うのを流して「あっ!あとさ、明希が俺の曲カバーしたいみたいやし許可とっといてや!」と言うとマネージャーが「えっ!?Black Butterflyですか!?」と聞いてきた

来瞳からどっちかを訊き忘れた俺は、「あっ…それ聞くん忘れてたわ!(笑)」と苦笑いでマネージャーに言った
するとマネージャーが「ほんと勘弁して下さいよ~!怒られるのは俺なんすよ…」と呆れて言った

俺は、そんなマネージャーの言葉を軽く流して「じゃ、始めよかいな!」と言うと
マネージャーが「ハァ…」と溜め息を漏らした

そして打ち合わせが始まった

『アルバムにも入れるために5ヶ月連続でシングル出さない?』とスタッフが話し始める

俺は、その言葉に「5ヶ月連続!?」とビックリするとスタッフが『そう!』と言った
俺は、「う~ん…歌詞は何個か書いてあるけど…」とスタッフに言うとスタッフが『じゃ、一度何曲か作って聞かせて!」と言ったから「取りあえずやってみるわ…あと、アルバムなんやけど…」と話を続け、数時間後、打ち合わせが終了し帰宅した

家に着き玄関を開けて俺は、「ただいま…」と言うと来瞳が「おかえり!なんか元気なくない?」と言った
俺は、来瞳に「そんな事ないで!」と言い明希と一緒にリビングに向かった

テーブルにはたくさんの料理が並んでいた

「おっ!飯できてるやん♪」と俺が言うと来瞳が「食べよ!」と言ったから椅子に座り食べ始める

俺が「うん、うまい!」と言うと来瞳が「良かった!」と言って俺の大好きな笑顔で笑った

付き合い始め以来の2人での晩飯

彼女がこんな料理上手だとは俺しか知らないだろう

今、目の前にいる彼女は、本当に"歌姫"なのかと思うくらい家庭的だ…

遊んできた女がクソに思える
そんな事を考えてると来瞳が「どうしたの?」と聞いてきた

俺は、「えっ…あぁ…昨日言ってたカバーの話、マネージャーネに言うといた!怒っとったけど(笑)」と言うと来瞳も「私も言ったけど、考えるって!でも明希は、それだけじゃないでしょ?」と言うから俺は、「なんで…わかるん?」と聞くと「顔見ればわかるよ(笑)」と来瞳は、そう言って照れたように笑った

それが可愛くて"来瞳しかおらん"と思った瞬間でもあった

普段は素直じゃないが…(笑)

同時に2人が居る世界に悲しくなる

"今が大事な時"マネージャーが言った言葉…

ならいつなら堂々と言える?

付き合う事がそんな悪い事なんか?

どうすれば堂々とできる?
考えれば考える程、難しい問題だった…

また俺は、そんな事を考えていた

すると来瞳が「どうしたの?」と訊いてきたから俺は、「ん?あっ、別に何もあらへんで!」と言うと来瞳は、「ならいいけど…」とそう言って食べ終えた食器を運んで行く

俺は、明希に向かって「 来瞳、俺曲作らなあかんからしばらく遅くなるわ…もしかしたら帰って来れんかも…」と言うと来瞳が「そっか…売れっ子は大変だね!」というから俺は、「お前が言うなや(笑)」と突っ込み、2人で笑い合う

こんなやり取りだけでも幸せに感じた

そして、翌日から俺は、曲作りに入る
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