ホントに大切なもの☆
すると来瞳が「仕方ないなぁ…私はずっと今の環境を夢見てきたはずなのに…いざ、そこに辿り着くと…周りには取り囲むように人がいて…全て身の回りの事をしてくれて…贅沢な悩みだけど…それが窮屈だった…それに好きな歌を唄いたいだけなのに私は組織の商品でしかなかった…だから一度休んで見つめ直したかった…でもこれはただの"逃げ"だよね…」と言った

そんな来瞳に俺は、「逃げやないで…簡単にはいかんかもしれんけど…来瞳がやりたい事した方が後悔しやんやろ?」と言うと来瞳が「でも…怖いの…また活動を再開した時に…皆は待っててくれるのかが…」と言い来瞳は、悲しい顔をして、膝を抱えた

俺が「たまには…休んでもいいと思う…」そう言って来瞳を後ろから抱き締めた
その背中は、微かに震えていた

こんな小さい体でどうして大きな組織を背負っているんだろう…

同じ世界にいても何もしてやれない…

でも1つだけ言えるのは、「どんな事があっても…必ず俺が側にいるから…」と俺は、来瞳に誓った

例え歌えなくても忘れさられても必ず俺が側にいるから…

暫くして来瞳が「明希…ありがとう…」そう言って俺の手を握った

そんな来瞳に俺が「昨日、舞央から聞いたけど…次の夢…叶うとええな…何か知らんけど…(苦笑)」と言うと来瞳が「そうだね…夢は2つあるの…でも…明希次第で叶うと思うよ?」と言い出した

不思議に思った俺が「俺?なんで俺次第なん?」と訊くと来瞳が「教えない!」と言い俺が「はぁ?そこまで言うたんなら教えろや!」と言うと来瞳が「笑うから教えない!」と言った

俺は、そんな来瞳に懇願する様に「なぁ、笑わんから教えて♪」と言い来瞳の背中に頬擦りをした

そんな俺に来瞳が「もう!気持ち悪い!(笑)」と笑いながら言い、「気持ち悪いって言うな!」と言い俺は、拗ねてその場を離れ、冷蔵庫を開る

「ほんま、1つくらい教えてくれてもええやん!」と俺は言いコップに水を入れ、飲み干していく

来瞳が「…1つは叶った!」と言うから「1つ目は何?」と俺は、水を飲みながら聞いた

すると来瞳が「明希がプロボーズしてくれる事!」と言ったから俺は、思わず自分がしたプロポーズを思い出し、「ブー!!!」と水を吹き出した

すると「汚なッ!水も吹き出すの!?もう!」と呆れた様に怒りながらも俺の濡れた服をタオルで拭く来瞳

俺が「なぁ…」と言うと来瞳が「んー?」と返事をしたから俺が来瞳に「ついでにもう1つ教えて…」と言うと来瞳が「嫌…」と言い俺が「お願い…」と甘えた声で訊いた

すると来瞳が「明希と…」と言うから「俺と?」と俺が訊きながら顔を近付け、赤くなる来瞳に優しいキスを送った

すると来瞳が「明希と…」と話し始め、俺は、額をくっつけまた唇を近付ける

来瞳が「同じ…ステージに立つ事…」とそう小さく呟く
そしてそのまま俺達は、体を重ねた…
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