ホントに大切なもの☆
「今日は本当にありがとうございました!」と言い明希は頭を下げ、曲が終わっても顔を上げなかった

歓声が聞こえる中、彼は肩を震わせていた

そんな私も涙が止まる事はなかった…

ファンの「明希ー!!」という歓声と拍手が鳴り止む事はなく、メンバー達は、一度はけて行く

そして、ようやく顔を上げた明希

その顔は、目を真っ赤にさせ涙の跡が沢山残っていた
私と明希も一度裏へはけ、そして、明希は私を強く抱き締めた

私が「明希…ウッ…」と泣くと明希が「ありがとう…生まれてきてくれて…俺と出会ってくれて…ありがとう…」と私に言うから私は、感動して「ウッ…明…希…」と言葉に詰まった

すると明希が「来瞳にサプライズしよう思ったのに…逆に俺がやられてしまったな…」と言ったけど腕の中で私は首を振った

暫くして明希が「俺を泣かせるのは…お前だけやわ…」とそう言って体を離し、私のお腹を見た

「ほんまにおるんか?」と言い明希がお腹を触る

私が「いるよ…」と言うとそれを聞いた明希の表情が変わる

明希が「あかん…顔が緩む(笑)」と言った

するとスタッフが「アンコールお願いします!」と言うと明希が「っしゃ!濡れ濡れにしたるで!」と言いマイクを手に取り、再びステージへ…

アンコールも終わり、いよいよこの日が終わってしまう

最後の曲を歌いきり、2人で深く頭を下げた

ファンが「明希ー!!来瞳ー!!」と歓声を上げる

隣で明希は、Tシャツを脱ぎ、客席へ投げる

でも私は、なかなか頭を上げる事が出来なかった

メンバーそれぞれがステージを回っていく

この歓声にこの笑顔にまた会えると私は願う…

明希は、ずっと動かない私の肩を優しく抱いた

こんな身勝手な私をどうか…どうか…
私の目が涙で滲むとその時…

ファンが「来瞳ー!!ありがとう!!」と言った

私は、嬉しくて「…ッ!!」と言葉にならなかった

顔を上げるとそこには、キラキラ輝く世界が広がっていた…

ねぇ明希…

私の欲しかったものは、最初からすぐ側にあったよ☆
終わり★
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