Street Ball
その大きな笑い声を気にしながらも、何事もなかった風を装い、レジのマネージャーは注文を繰り返している。


耳に残った笑い声が、俺にある人物を思い出させた。


「あ、ちょっと双英!中で食べてくよね?ねぇってば!」


翠の声が背中に届いたが、もう俺は最奥の喫煙コーナーに向かっていた。


徐々に近付いていく、大きな背中。


此奴の連れが彼奴なら、この巨躯な男も俺は知ってる筈だ。


大岩のような背中の向こうに見えたのは、毛先にパーマをかけた黒髪。


賺さず額に視線の先を定めると、確かに小さな黒子が有った。


「ハハハって…あれ?もしかして夏目か?」
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