Street Ball
店内に漂う油の臭いに、泰二と鉄がふかすタバコの臭いが混じり、そこに醤油の臭いが…。


醤油?


テーブルに視線を落とすと、パックに入った鰹の叩きが、数切れ残って有った。


これじゃあのマネージャーが、そわそわした態度を見せる訳だ。


「あっちの鮮魚コーナーで買ってきたんだ。食うか?」


「いや、俺はいいや。」


割り箸で叩きをつまみ、美味しそうに食べてはタバコを吸う泰二。


「泰二達はもうバスケやってないのか?推薦なんて腐る程来ただろ?」


「俺等が知らねぇ間に、ぜぇ〜んぶ学校側が断ったってよ。バスケ部の中でも、俺等二人は浮いてたからな。」


言われてみればそれも頷ける。


泰二達も俺と同じ口だったんだな。
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