Street Ball
「なんか面白そうじゃん。なぁ鉄?」


「悪りぃけど、俺は此奴とチームを組むのご免だ。」


にべもなく泰二の言葉を切り捨てた鉄は、フィルター近く迄吸ったタバコを、アルミ製の灰皿に強く押し付けた。


「双英、先に行くなら先に行くって、ちゃんと言ってから行ってよ〜。」


鉄の一言で温度が急激に下がった所へ、眉間に皺を寄せた翠が、注文したセットを二つ持ってやってきた。


「ワンマンチームを作りたいなら他を当たれよ。それにお前は中国人だろ?そんな奴とチームなんて、俺は組みたくない。」


そう言うと鉄は、席を立って歩き出した。


「はぁ?なんなのあの人!ねぇちょっと双英。」
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