Street Ball
翠の声は聞こえていたし、普段なら中国人と言われたら外に連れ出している。


それでも動けなかったのは、ワンマンチームと言われた事が何よりショックだったからだ。


「俺は面白そうだと思ったんだけどな、鉄がやらないって言うなら。悪いな夏目。」


俺の肩にポンと手を置くと、泰二はばつが悪そうに帰って行った。


ワンマンチームか…。


最初は監督からの指示で、俺にボールが集められたんだっけ。


そうして点を取っていくと、試合にも勝てるようになった。


勝利の味を覚え始めたチームメイトに団結力は強くなり、練習試合でも負けの数は格段に減っていったんだ。


練習と勝利を重ね、自信のついたチームメイトは、入部時よりも確実に上手くなった。
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