Street Ball
HEAT
味のしないハンバーガーを、ただ黙々と口に運んだ。


俺の沈んだ気持ちを察し、翠が息次ぐ間も惜しむ程、何かを喋っていた。


翠には適当な相槌を返し、食べ終わると直ぐにファーストフード店を後にした。


「なんか、今日はタバコ吸わなくない?」


アパートへの帰り道、翠にそう言われて気付いた。


体力の低下を恨めしいと思い、無意識の内に吸わないようにしているのかもしれない。


だが、完璧に止められる迄は時間がかかるだろうな。


翠に言われて思い出してしまってからは、直ぐ様ポケットからスピリットを取り出していた。
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