Street Ball
これから塾へでも行くのだろうか。


そんな小学生の姿を見て、俺のお袋が教育ママじゃなくて心底良かったと思う。


額に汗が滲み出し、走っている速度を徐々に落としていく。


無理に走る距離を長くする事は無い。


無理して明日走れなくなるよりは、その方がずっとマシで、一歩一歩少しずつが大事なんだ。


車二台がやっと通れる古びた橋の下に集まっている、数人の小学生が目に入った。


歩きながら近付いていくと、どうやら学校外での虐めらしい。


一際身体の小さい男の子が、黒やグレーのランドセルを背負った奴等に囲まれている。


見なければ何事もなく通り過ぎれたものをと思いながら、少しばかり後悔の念を抱いて近付いていく。
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